ニューヨーク旅行記 

結婚式の立会人・・・ニューヨーク旅行記〜

1.     きっかけ

 

1995年春、外注職人の職長であるS君が「結婚したいので仲人をして欲しい」と言うてきた。「そりゃあおめでとう。ほいじゃがワシにはそんな大役は務まらんし、ワシなんかが仲人をして記念すべき結婚式を台無しにしてしもうては、申し訳ない。どなたか他に適任者がおあられるじゃろうけえ、そっちにお願いして欲しい」

そう、丁寧にお断りした。

それから数ヶ月経って再びやってきたS君は

「社長、僕達アメリカで結婚式をやろうと思うんです。ニュ−ヨ−クに気に入った教会があるんです」

「ほう、そりゃあええのぉ。最近は二人だけで新婚旅行も兼ねて外国で式を挙げる人も多いたぁ聞いとったが、S君もそうするんか? ワシもついて行きたいのぉ」

と冗談で言うと、その言葉を待っとったかのように

「ホンマに?社長ついて来てくれるんですか?」

「えかった〜! 社長、奥さんと一緒に来て下さいよ。立会人して下さいよ、立会人」

「いやぁ、えかった! 不安じゃったんですよ僕ら二人だけじゃあ」

「帰って早速両親に話をします。いやぁ、えかった!」

そう言うと、そそくさと帰って行った。

 

今度はワシが不安になってきた。仕事の都合がつくんかいの? ニュ−ヨ−クへ結婚式に行くのはええが、立会人ゆ−て何をするんじゃろう? 旅行は好きじゃけど、いつも荷物は超少なめのワシが、ス−ツケ−スを持って行かにゃあいけんの? 考えただけでもブル−になってくる。

それからしばらくして結婚式は11月に決まったと連絡してきた。

S君の仕事のスケジュ−ルは調整出来たんじゃが、今度はワシのスケジュ−ル調整じゃ。

女房殿も一緒に行く為、事務員のKさんに色々とお願いせにゃあならん。お得意さんにも迷惑のかからんようにと事情を話したら「ええねえ!ニュ−ヨ−クか、ま、奥さん孝行してきんさいや」と言うてくれちゃった人もおりんさった。そう言やぁ、ワシら夫婦もちょうど結婚20周年じゃ。ええ機会なんで気持ちを固めた。

 

2.     出発

 

19951111日、朝5時半起床。今朝は某メ−カ−のKさんが家まで迎えに来てくれると言う。



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